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テキスト/行政法/第3節 無効等確認訴訟(抗告訴訟)

第3節 無効等確認訴訟(抗告訴訟)

第4章 行政事件訴訟法

取消訴訟では公定力により、処分が違法でも判決確定まで有効として扱われますが、処分に重大かつ明白な瑕疵がある場合は当初から無効であり、公定力は生じません。この節では、無効な処分の存否・効力の有無の確認を求める無効等確認訴訟を学びます。取消訴訟と異なり出訴期間の制限がない一方、補充性の要件(36条)により、他の適切な訴訟で目的を達せない場合に限って提起できます。取消訴訟規定の準用の範囲も頻出論点です。

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無効等確認訴訟とは

簡単にいうと

処分が「重大かつ明白な瑕疵」がある場合、その処分は無効です。無効な処分の確認を求めるのが無効等確認訴訟です。

行政法総論で学習したように、「重大かつ明白な瑕疵」がある場合、その処分は取り消されるまでもなく無効です。そのように、行政処分が無効であることの確認を求める訴訟として、無効等確認訴訟があります(36条)。 【補充的無効確認訴訟】無効等確認訴訟は、どのような場合でも提起できるわけではなく、後述する取消訴訟等によってでは対応できない場合にしか提起できないとされています(補充的無効確認訴訟/36条後段)。 【原告適格】 ①当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者(予防的無効確認訴訟) ②その他当該処分または裁決の無効等の確認を求めるにつき「法律上の利益」を有する者(補充的無効確認訴訟)→現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない場合に限る。

無効等確認訴訟とは

無効等確認訴訟とは

重要メモ

  • 「出訴期間制限がなく重大・明白な瑕疵を前提とする訴訟で、補充性(取消訴訟等では目的を達せない場合のみ)が必要(36条)」がポイント
  • 無効等確認訴訟:処分・裁決の効力の有無または存否の確認を求める訴訟(行訴法3条4項・36条)
  • 無効の要件:重大かつ明白な瑕疵——単なる違法では不十分で、瑕疵が外観上客観的に明白であることが必要
  • 出訴期間の制限なし——取消訴訟の出訴期間(処分知日から6か月・処分日から1年)経過後でも提起可能
  • 補充性の要件(36条後段):現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない場合にのみ提起可(「補充的無効確認訴訟」)
  • 原告適格①:当該処分・裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者(予防的無効確認訴訟——補充性不要)
  • 原告適格②:処分・裁決の無効確認を求めるにつき法律上の利益を有する者——ただし現在の法律関係に関する訴えで目的を達することができないことが必要(補充的無効確認訴訟)
  • 取消訴訟との関係:出訴期間内であれば取消訴訟が原則——期間徒過後や無効主張が必要な場面で本訴訟が機能する
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取消訴訟の規定の準用(無効等確認訴訟)

簡単にいうと

無効等確認訴訟においても取消訴訟の規定の一部が準用されます。どの規定が準用され、どれが準用されないかを表で整理しましょう。

無効等確認訴訟において、一部は取消訴訟と同じルールが適用されます(38条)。

【取消訴訟の規定の準用の有無(主なもの)】 被告適格:○(準用される) 管轄裁判所:○(準用される) 出訴期間:×(準用されない)←無効等確認訴訟には出訴期間の定めがない 事情判決:×(準用されない) 執行停止:○(準用される) 判決の拘束力:○(準用される) 判決の第三者効:×(準用されない)

特に重要:出訴期間の定めがない(重大明白な瑕疵があれば時効なしに訴え可能)。

重要メモ

  • 「出訴期間(14条)・事情判決(31条)・第三者効(32条)は準用されず、被告適格・管轄・執行停止・判決の拘束力は準用される(38条)」がポイント
  • 準用される規定(38条):被告適格(11条)・管轄裁判所(12条)・訴訟参加(22・23条)・執行停止(25条)・判決の拘束力(33条)
  • 準用されない規定:出訴期間(14条)——無効等確認訴訟には出訴期間制限なし
  • 準用されない規定:事情判決(31条)——事情判決は取消訴訟特有の制度であり無効等確認訴訟には適用されない
  • 準用されない規定:判決の第三者効(32条)——対世的効力は無効等確認訴訟には及ばない
  • 執行停止(25条)は準用される——無効等確認訴訟でも処分の執行停止を申立てることが可能

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
無効等確認訴訟の意義と重大明白説
処分の存否・効力の有無を確認する訴訟(3条4項)。重大かつ明白な瑕疵が要件
明白性は外形基準。課税処分は明白性要件が緩和される判例あり
無効等確認訴訟の原告適格(補充性)
36条の独自規定(9条は準用されない)。予防的無効確認と補充的無効確認の2類型
補充性要件は「直截的で適切」基準で緩やかに解釈される(もんじゅ判決)
取消訴訟の規定の準用
被告適格○・管轄○・執行停止○・拘束力○/出訴期間×・事情判決×・第三者効×
9条(原告適格)・8条(審査請求前置)も準用されない点に注意
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