第3節 住民基本台帳法
第4章 諸法令
住民基本台帳法は、住民の居住関係を公証し、行政サービスの基盤となる重要な制度です。行政書士として住民票の請求代理や転入出手続の相談に関わる機会が多く、実務上必須の知識です。試験では住民票の記載事項や閲覧・交付請求の要件が頻出します。
住民基本台帳制度の目的
第1条住民基本台帳法は、住民の居住関係を公証し、選挙人名簿の登録や国民健康保険、国民年金、児童手当などの住民に関する行政事務の基礎とすることを目的とします。市町村が住民票を編成して住民基本台帳を作成します。
具体例
Aさんが東京から大阪に引っ越した際、転出届と転入届を提出することで、新しい住所地で選挙権を行使でき、国民健康保険証も新住所で発行されるようになりました。
要件
- ・市町村が住民票を世帯ごとに編成
- ・住民基本台帳として備え付ける
効果・結論
- ・住民の居住関係を公証する
- ・各種行政事務処理の基礎資料となる
条文(第1条)
この法律は、市町村において、住民の居住関係の公証、選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届出等の簡素化を図り、あわせて住民に関する記録の適正な管理を図るため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行う住民基本台帳の制度を定め、もつて住民の利便を増進するとともに、国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする。
試験のポイント
- ・住民基本台帳の目的は「居住関係の公証」と「行政事務の基礎」の2点
- ・選挙人名簿・国保・年金・児童手当などが具体例として頻出
住民票の記載事項
第7条住民票には、氏名、出生の年月日、男女の別、世帯主の氏名と世帯主との続柄、住所、転入した年月日などが記載されます。本籍や国籍(外国人の場合)も記載事項に含まれ、個人番号(マイナンバー)も記載されます。
具体例
Bさんが住民票の写しを取得したところ、氏名・生年月日・住所のほか、世帯主である父親の名前と「子」という続柄、本籍地の県名と市町村名が記載されていました。
要件
- ・法定記載事項を正確に記載
- ・世帯ごとに編成
効果・結論
- ・本人確認書類として利用可能
- ・各種行政手続の添付書類となる
条文(第7条)
住民票には、次に掲げる事項について記載をする。一 氏名 二 出生の年月日 三 男女の別 四 世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄 五 住所 六 転入をした者については、転入をした年月日
試験のポイント
- ・本籍・国籍・個人番号も記載事項に含まれる点に注意
- ・世帯主との続柄が記載される点が頻出(戸籍との違いに注意)
転入・転出・転居の届出
第22、23、24条住所を移転した場合、転出届(旧住所地)、転入届(新住所地、14日以内)、転居届(同一市町村内、14日以内)の提出義務があります。正当な理由なく届出をしない場合、5万円以下の過料に処せられます。
具体例
Cさんが神奈川県から千葉県に引っ越す際、旧住所地で転出届を出し、転出証明書を受け取りました。新住所地には引越し後10日目に転入届を提出し、新しい住民票が作成されました。
要件
- ・転出届:あらかじめまたは転出後14日以内
- ・転入届:転入後14日以内
- ・転居届:転居後14日以内
効果・結論
- ・住民票が適正に異動する
- ・届出義務違反には5万円以下の過料
条文(第22、23、24条)
転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい、出生による場合を除く。)をした者は、転入をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
試験のポイント
- ・転入・転居は14日以内、転出はあらかじめまたは事後14日以内
- ・正当な理由のない届出懈怠は5万円以下の過料(罰金ではない)
住民票の写しの交付請求
第12、12の3条本人または同一世帯員は住民票の写しの交付を請求できます。第三者も正当な理由がある場合は請求可能です。国または地方公共団体は法令で定める事務の遂行のために必要な場合、請求できます。不正請求には罰則があります。
具体例
行政書士のDさんは、依頼者Eさんから委任状をもらい、Eさんの住民票の写しを市役所で請求しました。本人確認書類と委任状を提示し、正当に交付を受けました。
要件
- ・本人または同一世帯員による請求
- ・第三者請求の場合は正当な理由の疎明
- ・国・地方公共団体は法令上の事務遂行に必要な場合
効果・結論
- ・住民票の写しの交付を受けられる
- ・不正請求・不正取得には30万円以下の罰金
条文(第12、12の3条)
住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に対し、その者に係る住民票の写しを請求することができる。
試験のポイント
- ・第三者請求には正当な理由が必要(単なる興味では不可)
- ・不正請求・不正取得には刑罰(30万円以下の罰金)が科される点が頻出
まとめ
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