第4節 環境問題
第3章 社会
環境問題は、地球規模で進行する気候変動や資源の枯渇など、現代社会が直面する重要課題です。行政書士試験では、国際的な環境条約や日本の環境政策、循環型社会の形成に関する基本的な知識が問われます。本節では、試験に必要な環境問題の基礎知識を整理します。
地球温暖化と気候変動
地球温暖化とは、温室効果ガス(二酸化炭素など)の増加により地球の平均気温が上昇する現象です。気候変動枠組条約やパリ協定により国際的な対策が進められています。
具体例
A工場が化石燃料を大量に使用して二酸化炭素を排出。地球全体の気温が上昇し、B町では異常気象により農作物が不作に。国際社会は温室効果ガスの削減目標を設定して対策を講じています。
要件
- ・温室効果ガス(CO2、メタンなど)の排出
- ・化石燃料の使用や森林伐採などの人為的活動
効果・結論
- ・地球の平均気温の上昇
- ・異常気象、海面上昇、生態系への影響
試験のポイント
- ・パリ協定は2015年採択、産業革命前比で気温上昇を2℃未満に抑える目標
- ・日本は2050年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を宣言
循環型社会の形成
循環型社会とは、廃棄物の発生を抑制し、資源を循環利用する社会です。循環型社会形成推進基本法により、3R(リデュース・リユース・リサイクル)が推進されています。
具体例
Aさんは買い物でマイバッグを使用(リデュース)。Bさんは古着をフリマアプリで売却(リユース)。C市は家庭ごみを分別回収してペットボトルを再生利用(リサイクル)しています。
要件
- ・廃棄物の発生抑制(リデュース)
- ・再使用(リユース)
- ・再生利用(リサイクル)の優先順位での実施
効果・結論
- ・天然資源の消費抑制
- ・環境負荷の低減と持続可能な社会の実現
試験のポイント
- ・3Rの優先順位はリデュース→リユース→リサイクルの順
- ・拡大生産者責任(EPR)により製造者が製品の廃棄段階まで責任を負う
公害と環境基本法
公害とは、事業活動により生じる大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭の7つを指します。環境基本法が環境政策の基本理念を定めています。
具体例
A工場が排水を川に垂れ流し、下流のB町で魚が大量死。住民は水質汚濁による健康被害を訴えました。環境基本法に基づき、国は環境基準を設定し工場を規制しています。
要件
- ・事業活動その他の人為的活動
- ・典型7公害のいずれかに該当
- ・人の健康または生活環境への被害
効果・結論
- ・国・地方公共団体による環境規制の実施
- ・被害者による損害賠償請求(無過失責任の場合あり)
試験のポイント
- ・典型7公害を正確に覚える(大気・水質・土壌・騒音・振動・地盤沈下・悪臭)
- ・環境基本法は1993年制定で公害対策基本法を発展的に解消
国際的な環境条約
環境問題は国境を越えるため、国際条約による対応が重要です。代表的なものに気候変動枠組条約、生物多様性条約、バーゼル条約(有害廃棄物の越境移動規制)などがあります。
具体例
A国の工場から排出されたフロンガスがオゾン層を破壊し、遠く離れたB国で紫外線被害が増加。国際社会はモントリオール議定書を採択し、フロンガスの生産・使用を世界的に規制しました。
要件
- ・国際条約への加盟
- ・各国による国内法の整備
- ・条約に基づく削減目標等の履行
効果・結論
- ・地球規模での環境保全の推進
- ・各国の環境政策の調和
試験のポイント
- ・京都議定書(1997年)は先進国に温室効果ガス削減義務、パリ協定(2015年)は全参加国に削減目標
- ・生物多様性条約は1992年リオデジャネイロで採択、遺伝資源へのアクセスと利益配分を規定
まとめ
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