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テキスト/基礎知識/第3節 少子高齢化

第3節 少子高齢化

第3章 社会

日本は世界でも有数の少子高齢社会であり、社会保障制度や労働問題に大きな影響を与えています。行政書士試験の基礎知識では、少子高齢化の現状と、これに対応する社会保障制度雇用・労働問題の理解が求められます。本節では、社会保障の仕組みと現代の労働課題を学びます。

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少子高齢化

少子高齢化とは、出生率の低下により子どもの数が減少し、平均寿命の延伸により高齢者の割合が増加する現象です。日本は65歳以上の人口が総人口の約29%を占める超高齢社会となっています。この現象は、労働力人口の減少、社会保障費の増大、地域社会の活力低下など、多方面に影響を及ぼしています。

具体例

Aさんの住む地方都市では、かつて賑わっていた商店街が高齢者ばかりとなり、小学校も統廃合されました。若者は都市部へ就職し、Aさんの会社でも人手不足が深刻化しています。

要件

  • 出生率の低下(合計特殊出生率が人口置換水準2.07を下回る)
  • 平均寿命の延伸と高齢者人口の増加
  • 生産年齢人口(15〜64歳)の減少

効果・結論

  • 社会保障費の増大と現役世代の負担増
  • 労働力人口の減少と経済成長の鈍化
  • 地域社会の過疎化と公共サービスの維持困難

試験のポイント

  • 日本の高齢化率(65歳以上人口の割合)は約29%で世界最高水準である点
  • 少子高齢化が社会保障制度(年金・医療・介護)に与える影響を理解すること
  • 合計特殊出生率が1.3前後と人口置換水準を大きく下回っている現状
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社会保障制度

社会保障制度とは、国民の生活を守るため、疾病、老齢、失業、貧困などのリスクに対して公的に保障する仕組みです。社会保険(年金、医療、介護、雇用、労災)、社会福祉公的扶助(生活保護)、公衆衛生の4つの柱で構成されます。日本国憲法第25条の生存権保障を具体化したものです。

具体例

Bさん(70歳)は毎月年金を受給し生活しています。病院では医療保険で治療費の1割負担で済み、自宅での介護には介護保険制度を利用してヘルパーの支援を受けています。

要件

  • 国民の生存権保障(憲法25条)を実現する制度
  • 社会保険、社会福祉、公的扶助、公衆衛生の4本柱
  • 保険料負担と税による財源確保

効果・結論

  • 国民の最低限度の生活保障
  • 社会的リスクの分散と相互扶助
  • 少子高齢化による給付増と財政圧迫
場合
効果
社会保険
保険料拠出を前提とした給付(年金、医療、介護、雇用、労災)
公的扶助
税財源による最低生活保障(生活保護)
社会福祉
高齢者・障害者・児童への福祉サービス
公衆衛生
感染症対策、上下水道整備など公衆衛生の向上

試験のポイント

  • 社会保障の4本柱(社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生)を正確に区別すること
  • 憲法25条の生存権保障が社会保障の根拠である点
  • 社会保険方式と税方式の違いを理解すること
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年金制度・介護保険制度

年金制度は、20歳以上の全国民が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員等が加入する厚生年金の2階建て構造です。介護保険制度は2000年に開始され、40歳以上の国民が保険料を負担し、要介護認定を受けた高齢者等が介護サービスを受けられる仕組みです。両制度とも少子高齢化により財政が逼迫しています。

具体例

Cさん(会社員)は毎月給与から厚生年金保険料が天引きされ、将来は国民年金と厚生年金を受給できます。Cさんの母(80歳)は要介護2の認定を受け、介護保険でデイサービスを利用しています。

要件

  • 年金:20歳以上の国民皆保険、保険料納付
  • 介護保険:40歳以上の被保険者、要介護認定
  • いずれも社会保険方式による運営

効果・結論

  • 年金:老後の所得保障、世代間扶養の仕組み
  • 介護保険:介護の社会化、家族負担の軽減
  • 両制度とも高齢化で給付増、現役世代の保険料負担増
場合
効果
国民年金(基礎年金)
20歳以上の全国民が加入、定額保険料
厚生年金
会社員・公務員等が加入、報酬比例の保険料・給付
介護保険(第1号被保険者)
65歳以上、原因を問わず要介護認定でサービス利用可
介護保険(第2号被保険者)
40〜64歳、特定疾病による要介護のみサービス利用可

試験のポイント

  • 年金は2階建て構造(国民年金+厚生年金)である点を押さえる
  • 介護保険の被保険者は40歳以上で、保険料負担が始まる年齢を確認
  • 両制度とも賦課方式(現役世代が高齢世代を支える)が基本である点
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雇用・労働問題と女性活躍推進法

雇用・労働問題には、非正規雇用の増加、長時間労働、ワークライフバランス、同一労働同一賃金などがあります。女性活躍推進法(2015年成立)は、女性の職業生活における活躍を推進するため、事業主に行動計画の策定・公表を義務付ける法律です。少子高齢化による労働力不足への対応として、女性や高齢者の活躍が重視されています。

具体例

D社(従業員350名)は女性活躍推進法により、女性管理職比率の目標を定めた行動計画を策定・公表しました。育児休業制度を拡充し、女性社員が働きやすい環境を整備しています。

要件

  • 従業員301人以上の事業主に行動計画策定義務(女性活躍推進法)
  • 計画には数値目標と取組内容を記載
  • 計画の公表と女性活躍に関する情報公表

効果・結論

  • 女性の管理職登用や採用比率の向上
  • 育児・介護と仕事の両立支援
  • 多様な人材活用による労働力確保と企業競争力向上

試験のポイント

  • 女性活躍推進法の行動計画策定義務は従業員301人以上の事業主である点
  • 少子高齢化対策として女性・高齢者・外国人材の活用が進められている点
  • 同一労働同一賃金など働き方改革との関連を理解すること

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
少子高齢化
出生率低下と高齢化率約29%
合計特殊出生率と高齢化率の数値を混同しない
社会保障制度
社会保険・社会福祉・公的扶助・公衆衛生の4本柱
社会保険と公的扶助の財源(保険料vs税)を区別
年金・介護保険
年金は2階建て、介護保険は40歳以上加入
介護保険の第1号・第2号被保険者の違いに注意
雇用・労働問題
女性活躍推進法は301人以上に義務
従業員数の基準を正確に記憶すること

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