第1節 雇用・労働問題
第3章 社会
現代社会において、雇用・労働問題は国民生活に直結する重要課題です。少子高齢化が進む中、働き方改革や女性活躍推進、非正規雇用の増加など、労働環境をめぐる問題は行政書士試験でも頻出です。本節では、雇用形態、労働法制、社会保障制度との関連を中心に学びます。
雇用形態の多様化と非正規雇用
正規雇用(無期契約・フルタイム・直接雇用)に対し、非正規雇用(パート・アルバイト・派遣・契約社員など)が増加しています。非正規雇用は雇用の調整弁となる一方、賃金格差や雇用不安定が社会問題化しています。
具体例
Aさんは正社員として月給25万円で働いていますが、同じ業務をするBさんは契約社員で時給1500円です。Bさんは1年ごとに契約更新が必要で、ボーナスや退職金もありません。
要件
- ・有期契約労働者(契約社員等)
- ・短時間労働者(パートタイム)
- ・派遣労働者
効果・結論
- ・賃金格差の発生(正規と非正規の格差)
- ・雇用の不安定化と社会保障の適用制限
- ・同一労働同一賃金の原則による是正の動き
試験のポイント
- ・非正規雇用の割合は約4割に達している点
- ・同一労働同一賃金の考え方は働き方改革関連法で強化された
- ・派遣労働は労働者派遣法で規制されている
女性活躍推進法
女性活躍推進法(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)は、女性が職場で活躍できる環境整備を目的とした法律です。従業員101人以上の企業に行動計画の策定・公表を義務付けています。
具体例
従業員150人のC社では、女性管理職比率を5年で20%に引き上げる行動計画を策定し、厚生労働省のウェブサイトに公表しました。育児休業取得率の数値目標も設定しています。
要件
- ・常時雇用する労働者が101人以上の事業主
- ・自社の女性活躍状況の把握・課題分析
- ・行動計画の策定・届出・公表
効果・結論
- ・企業に女性活躍推進の行動計画策定義務
- ・女性の採用・登用・職域拡大の促進
- ・ワーク・ライフ・バランスの改善
試験のポイント
- ・101人以上の企業に義務がある点(100人以下は努力義務)
- ・男女雇用機会均等法との違いを理解する
- ・えるぼし認定制度により優良企業を認定
少子高齢化と労働力不足
少子高齢化は出生率の低下と平均寿命の延伸により、人口構造が変化する現象です。労働力人口の減少を招き、社会保障費の増大、経済成長の鈍化などの問題を引き起こします。
具体例
D町では65歳以上が人口の35%を占め、働き手が不足しています。地元企業は定年を65歳から70歳に延長し、外国人技能実習生の受入れも検討しています。
要件
- ・合計特殊出生率の低下(2023年は1.2程度)
- ・65歳以上人口の割合増加(高齢化率29%超)
- ・生産年齢人口(15~64歳)の減少
効果・結論
- ・労働力人口の減少による経済活動の縮小
- ・社会保障費(年金・医療・介護)の増大
- ・高齢者雇用促進・外国人労働者受入拡大の必要性
試験のポイント
- ・日本の高齢化率は世界最高水準である点
- ・介護保険制度や年金制度とセットで出題されやすい
- ・外国人労働者受入れ(特定技能制度など)との関連
働き方改革と労働時間規制
働き方改革は長時間労働の是正、同一労働同一賃金、柔軟な働き方の実現を目指す政策です。労働基準法改正により時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間)が設けられました。
具体例
E社では残業が月80時間を超える社員が多発していましたが、法改正後は原則月45時間以内に抑制。違反すると罰則があるため、業務効率化とテレワーク導入を進めました。
要件
- ・時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間)
- ・特別条項でも年720時間以内
- ・勤務間インターバル制度の努力義務
効果・結論
- ・長時間労働の是正と過労死防止
- ・ワーク・ライフ・バランスの改善
- ・年次有給休暇の年5日取得義務化
試験のポイント
- ・上限規制は罰則付き(違反企業は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)
- ・年5日の有給取得は使用者の義務である点
- ・高度プロフェッショナル制度との区別
まとめ
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