第2節 財政
第2章 経済
財政とは、国や地方公共団体が公共サービスを提供するために行う経済活動です。予算の仕組みや租税制度を理解することで、国の経済政策の基本を学びます。行政書士試験では、予算制度・国債・税の分類が頻出です。
一般会計予算
一般会計予算とは、国の基本的な歳入・歳出を経理する予算です。税収を主な財源とし、社会保障・教育・防衛などの基本的行政サービスに充てられます。毎年度、国会の議決を経て成立します。
具体例
国は4月から始まる新年度に向けて、税金で集めた100兆円規模の予算案を作成。社会保障に30兆円、公共事業に6兆円などと配分し、1月に国会に提出して審議・可決を経て執行します。
要件
- ・内閣が予算案を作成し国会に提出する
- ・衆議院の先議権がある
- ・参議院で異なる議決をした場合、両院協議会を開く
- ・参議院が30日以内に議決しない場合、衆議院の議決が国会の議決となる
効果・結論
- ・予算の執行により国の行政サービスが提供される
- ・予算の議決は法律より衆議院の優越が強い(自然成立制度あり)
試験のポイント
- ・衆議院の予算先議権と30日ルールは憲法上の重要ポイント
- ・補正予算・暫定予算との違いを区別できるようにする
- ・一般会計と特別会計の区別を押さえる
補正予算・暫定予算
補正予算は、年度途中で当初予算に追加・変更が必要な場合に編成される予算です。暫定予算は、年度開始までに本予算が成立しない場合に、一定期間の支出を可能にする予算です。
具体例
当初予算成立後に大地震が発生し、復旧費用5兆円が必要に。政府は補正予算を組んで国会に提出・可決し、緊急支出を実施しました。
要件
- ・補正予算:年度途中の事情変更により必要が生じた場合に編成
- ・暫定予算:本予算が年度開始に間に合わない場合に編成
- ・いずれも国会の議決が必要
効果・結論
- ・補正予算により当初予算を超える支出が可能となる
- ・暫定予算により予算不成立でも行政の継続性が保たれる
試験のポイント
- ・補正予算は年度途中の追加、暫定予算は年度開始時のつなぎと明確に区別
- ・暫定予算でも国会の議決が必要な点を押さえる
赤字国債と財政投融資
赤字国債(特例国債)は、税収不足を補うために発行される国債で、特例法に基づき発行されます。財政投融資は、国債等で調達した資金を政策目的で公共事業や政策金融に投融資する制度です。市中消化の原則により、国債は日銀の直接引受けではなく市場で消化されます。
具体例
税収60兆円だが予算100兆円必要な年度。建設国債20兆円に加え、特例法を制定して赤字国債20兆円を発行。市場で民間金融機関に購入してもらい資金調達しました。
要件
- ・赤字国債の発行には特例法の制定が必要
- ・国債は原則として市中消化される(日銀の直接引受けは原則禁止)
- ・財政投融資は財政投融資計画として国会に提出される
効果・結論
- ・赤字国債により財政赤字を補填できるが、将来世代への負担となる
- ・市中消化により中央銀行の独立性と通貨の信認が保たれる
試験のポイント
- ・赤字国債は特例法が必要、建設国債(4条国債)は財政法で恒久的に認められる点と対比
- ・市中消化の原則は財政法5条で規定され、日銀直接引受けの例外は国会議決が必要
- ・財政投融資は「第二の予算」と呼ばれる点を押さえる
直接税と間接税
直接税は、納税者と担税者が同一の租税で、所得税・法人税・相続税などが該当します。間接税は、納税者と担税者が異なる租税で、消費税・酒税・たばこ税などが該当します。日本の税収は直接税が中心です。
具体例
Aさんは年収500万円で所得税を直接国に納付(直接税)。一方、コンビニで買い物をすると消費税を店に支払い、店が国に納税します(間接税)。
要件
- ・直接税:納税義務者が直接税を負担する
- ・間接税:納税義務者が税を転嫁し、最終消費者が負担する
効果・結論
- ・直接税は所得や資産に応じた負担で累進性がある
- ・間接税は広く薄く負担し、徴税が容易だが逆進性がある
試験のポイント
- ・所得税・法人税・相続税は直接税、消費税・酒税は間接税と分類できるようにする
- ・間接税の逆進性(低所得者ほど負担率が高い)を理解する
- ・日本の税収構造は直接税中心である点を押さえる
まとめ
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。