第3節 国際政治
第1章 政治
国際政治では、国家間の関係や国際機関の役割を学びます。第二次世界大戦後の国際秩序、地域統合の動き、安全保障体制など、グローバル化が進む現代社会を理解するために不可欠な知識です。行政書士試験では国際機関の仕組みや条約に関する出題が頻出します。
国際連合の主要機関
国際連合は1945年に設立された国際平和と安全の維持を目的とする国際機関です。主要機関として総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所、事務局の6機関があります。
具体例
Aさんが国連について学習する際、安全保障理事会は5つの常任理事国(米英仏露中)が拒否権を持ち、国際紛争に対応することを知りました。信託統治理事会は信託統治地域がなくなり現在は活動を停止しています。
要件
- ・安全保障理事会は常任理事国5か国と非常任理事国10か国で構成
- ・常任理事国は拒否権を持つ
- ・信託統治理事会は1994年以降活動停止
効果・結論
- ・安全保障理事会の決議には法的拘束力がある
- ・常任理事国1か国でも反対すれば決議は成立しない
試験のポイント
- ・安全保障理事会の常任理事国5か国(米英仏露中)と拒否権の有無を正確に
- ・信託統治理事会は現在活動停止中である点に注意
- ・総会は全加盟国で構成され1国1票制である点を押さえる
地域統合とEU
EU(欧州連合)は欧州の地域統合組織で、経済統合から政治統合まで進んだ組織です。単一市場の形成、共通通貨ユーロの導入、共通外交政策などを実現しています。
具体例
Aさんは欧州旅行で、フランスからドイツへ国境審査なしで移動でき、ユーロで買い物ができました。これはEUが人・物・資本・サービスの自由移動を保障しているためです。
要件
- ・加盟国間で関税を撤廃し単一市場を形成
- ・共通通貨ユーロを導入(一部加盟国を除く)
- ・人の自由移動を保障(シェンゲン協定)
効果・結論
- ・域内での経済活動が自由化され経済成長を促進
- ・加盟国の主権の一部をEUに委譲
試験のポイント
- ・EUは経済統合だけでなく政治統合も進めている点が特徴
- ・全加盟国がユーロを導入しているわけではない(英国は未導入のまま離脱)
- ・FTAやEPAとの違いを理解する(EUはより高度な統合)
国際経済体制
自由貿易を推進する国際的な枠組みとしてGATT(関税貿易一般協定)からWTO(世界貿易機関)への発展があります。またFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)、TPP(環太平洋パートナーシップ)などの地域的な経済連携も進んでいます。
具体例
A国とB国がEPAを締結すると、関税が撤廃されA国の自動車がB国で安く売れるようになりました。さらに投資や知的財産の保護も含まれ、企業進出が活発化しました。
要件
- ・FTAは関税撤廃など貿易の自由化が中心
- ・EPAは貿易に加え投資・人の移動・知的財産なども含む包括的協定
- ・WTOは多国間の自由貿易ルールを定める国際機関
効果・結論
- ・関税が削減・撤廃され貿易が拡大
- ・経済のグローバル化が促進される
試験のポイント
- ・FTAとEPAの違い(EPAの方が包括的)を正確に
- ・GATTは協定、WTOは国際機関である点に注意
- ・TPPは環太平洋地域の多国間EPA(米国は離脱)
軍縮と国際条約
核兵器の拡散防止を目的とする核拡散防止条約(NPT)と、核兵器の全面禁止を目指す核兵器禁止条約があります。また女子差別撤廃条約は女性の権利保護を定めた国際条約です。
具体例
A国は核兵器禁止条約に署名し、核兵器の開発・保有・使用を全面的に禁止しました。一方、核保有国は参加せず、核拡散防止条約で核保有国を5か国に限定する体制が続いています。
要件
- ・核拡散防止条約は米英仏露中の5か国のみ核保有を認める
- ・核兵器禁止条約は核兵器を全面的に禁止
- ・女子差別撤廃条約は政治・経済・社会など全分野での女性差別撤廃を規定
効果・結論
- ・核拡散防止条約により核保有国は5か国に限定
- ・核兵器禁止条約は2021年発効(核保有国は不参加)
試験のポイント
- ・核拡散防止条約と核兵器禁止条約の違い(前者は5か国の保有を容認、後者は全面禁止)
- ・核保有国は核兵器禁止条約に参加していない点に注意
- ・女子差別撤廃条約は人権条約であり軍縮条約ではない
まとめ
📱 アプリのご紹介
スマホアプリで、いつでもどこでも。行政書士合格を、スキマ時間で。
行政書士試験学習には必須の判例のわかりやすい解説から科目別テキスト、過去問演習、択一演習をスマホでまとめて持ち歩ける学習アプリです。通勤・休憩中に1問だけでも。独学でも仕事と両立しながら、合格を目指せます。