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テキスト/商法/第2節 商行為法

第2節 商行為法

第1章 商法総則・商行為

商行為法は、商人が行う商行為に特有のルールを定めた分野です。民法の特則として、迅速性や安全性を重視した商取引のルールを学びます。商法総則で学んだ商人概念を前提に、具体的な取引場面での法律関係を理解することが重要です。

1

絶対的商行為

501

絶対的商行為とは、誰が行っても当然に商行為となる行為類型です。行為者が商人であるか否かを問わず、行為の性質上、営業性・営利性が強いため、商法の規定が適用されます。

具体例

学生のAさんが夏休みに古着を安く仕入れてネットで転売し利益を得た。Aさんは商人ではないが、この転売目的の売買行為自体が絶対的商行為に該当する。

要件

  • 商法501条各号に列挙された行為類型に該当すること
  • 営利目的であること

効果・結論

  • 商法の商行為に関する規定が適用される
  • 商人でなくても商行為として扱われる

条文(第501条)

501条 次に掲げる行為は、商行為とする。一 利益を得て譲渡する意思をもってする動産、不動産若しくは有価証券の有償取得又はその取得したものの譲渡を目的とする行為 二 他人のためにする製造又は加工に関する行為(以下略)

試験のポイント

  • 営業としてでなくても、一回限りでも該当する点
  • 附属的商行為との区別:絶対的商行為は商人性不要
2

附属的商行為

503

附属的商行為とは、商人がその営業のためにする行為です。それ自体は商行為の性質を持たなくても、商人の営業に関連して行われれば商行為として扱われます。

具体例

飲食店を営むBさんが、店舗の内装工事の契約を業者Cと結んだ。内装工事契約自体は商行為ではないが、Bさんの営業のための行為なので附属的商行為となる。

要件

  • 行為者が商人であること
  • その営業のためにする行為であること

効果・結論

  • 商法の商行為に関する規定が適用される
  • 商人間の取引として扱われる

条文(第503条)

503条 商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。

場合
効果
絶対的商行為
誰が行っても商行為、商人性不要
附属的商行為
商人が営業のために行う場合のみ商行為

試験のポイント

  • 商人であることが前提条件である点
  • 「営業のため」の判断は客観的・外形的に行う
  • 絶対的商行為との違い:商人性が必要
3

商事売買における買主の検査・通知義務

526

商事売買において、買主は目的物を受領したときは遅滞なく検査し、瑕疵等があれば直ちに売主に通知しなければなりません。通知を怠ると、原則として瑕疵等を理由とする責任追及ができなくなります。

具体例

商人のDさんが部品を購入し受領後3週間放置していたところ、不良品と判明した。しかし検査・通知を怠ったため、Dさんは売主に対する責任追及ができなくなった。

要件

  • 商人間の売買であること
  • 買主が目的物を受領したこと
  • 遅滞なく検査すること
  • 瑕疵等を直ちに通知すること

効果・結論

  • 検査・通知義務を怠ると瑕疵担保責任等を追及できない
  • 直ちに発見できない瑕疵は6か月以内に通知すれば可

条文(第526条)

526条 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。2 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。

場合
効果
直ちに発見できる瑕疵
受領後遅滞なく検査し直ちに通知必要
直ちに発見できない瑕疵
6か月以内に通知すればよい

試験のポイント

  • 民法と異なり買主に検査・通知義務がある点
  • 「遅滞なく」検査、「直ちに」通知という厳格な時期制限
  • 通知を怠ると権利を失う点(失権効)
4

運送営業

569

運送営業とは、陸上・海上・航空の物品または旅客の運送を引き受ける営業です。商法では特に陸上運送と海上運送について特則を設け、運送人の責任や荷受人の権利などを規定しています。

具体例

運送会社Eは荷主Fから商品の配送を引き受けたが、運送中に過失で商品を破損させた。Eは運送人として商法上の責任を負い、損害賠償義務が生じる。

要件

  • 運送を営業として行うこと
  • 陸上・海上・航空のいずれかの運送であること

効果・結論

  • 運送人は物品の滅失・損傷について責任を負う
  • 荷受人は運送品に対する直接の権利を有する

条文(第569条)

569条以下(陸上運送)、684条以下(海上運送)に詳細規定あり

試験のポイント

  • 運送人の高度な注意義務と無過失責任的性質
  • 荷受人の地位:運送契約の当事者でなくても権利行使可能
  • 商事売買の検査通知義務との関連

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
絶対的商行為
誰が行っても商行為、商人性不要
一回限りでも該当する点を見落とさない
附属的商行為
商人が営業のためにする行為
商人であることが前提、主観的要件に注意
商事売買の検査通知義務
遅滞なく検査、直ちに通知、怠ると失権
民法にはない商法特有の厳格な義務
運送営業
運送人の重い責任、荷受人の直接請求権
契約当事者以外の荷受人の権利に注意

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