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第1節 商法総則

第1章 商法総則・商行為

商法総則は、商取引に関わるすべての人に共通するルールを定めた分野です。誰が「商人」なのか、商人の名称である「商号」はどう保護されるのか、商人を補助する「商業使用人」にはどんな権限があるのかを学びます。これらは会社法を学ぶ前提となる重要な基礎知識です。

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商人の意義

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商人とは、自己の名をもって商行為をすることを業とする者をいいます。「業とする」とは、営利の目的をもって反復継続して行うことを意味します。

具体例

Aさんは自宅で手作りアクセサリーをネット販売しています。継続的に利益を得る目的で取引を重ねているため、Aさんは商人に該当します。

要件

  • 自己の名をもって行うこと
  • 商行為をすること
  • 業として(営利目的で反復継続)行うこと

効果・結論

  • 商法の規定が適用される
  • 商業登記義務を負う場合がある
  • 商業帳簿の作成義務を負う

条文(第4条)

この法律において「商人」とは、自己の名をもつて商行為をすることを業とする者をいう。

場合
効果
営利目的で反復継続する場合
商人に該当
単発の取引の場合
商人に該当せず
会社の場合
商行為の有無を問わず商人

試験のポイント

  • 「業として」=営利目的+反復継続性の両方が必要
  • 単発の取引は商行為でも「商人」にはならない
  • 会社は商行為をしなくても当然に商人とされる(会社法5条)
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商行為の分類

501、502、503

商行為は3種類に分類されます。絶対的商行為(501条)は行為の性質上当然に商行為となるもの、営業的商行為(502条)は営業としてすれば商行為となるもの、附属的商行為(503条)は商人がその営業のためにする補助的行為です。

具体例

Aさんは魚屋を営んでいます。魚の仕入れは営業的商行為、店舗の火災保険契約は附属的商行為です。Bさんが手形を振り出す行為は絶対的商行為です。

要件

  • 絶対的商行為:法定の行為類型に該当
  • 営業的商行為:営業として行うこと
  • 附属的商行為:商人が営業のために行うこと

効果・結論

  • 商行為に該当すれば商法の特則が適用される
  • 商事時効(5年)が適用される
  • 商行為の代理は本人が商人でなくても商法の規定が適用される

条文(第501、502、503条)

第501条 次に掲げる行為は、商行為とする。(手形その他の商業証券に関する行為等を列挙) 第502条 次に掲げる行為は、営業としてするときは、商行為とする。(賃貸借、製造加工等を列挙) 第503条 商人がその営業のためにする行為は、商行為とする。

場合
効果
絶対的商行為(手形振出等)
誰が行っても商行為
営業的商行為(賃貸借等)
営業として行う場合のみ商行為
附属的商行為(営業用の行為)
商人が営業のために行えば商行為

試験のポイント

  • 絶対的商行為は誰が行っても商行為(営業性不要)
  • 営業的商行為は「営業として」行う場合のみ商行為
  • 附属的商行為は商人が行うことが前提、主観的意図は不要
3

商号

11-18

商号とは、商人が営業上自己を表示するために用いる名称です。商号は登記することで保護され、同一市町村内で同一営業について他人が登記した商号は使用できません(不正競争防止法でも保護)。

具体例

Aさんは「山田商店」という商号を登記しました。同じ市内でBさんが同じく食品販売業で「山田商店」を登記することはできません。

要件

  • 商人が営業上使用する名称であること
  • 登記により保護を受ける場合は商業登記が必要

効果・結論

  • 商号の専用権が認められる
  • 不正使用に対して差止請求や損害賠償請求が可能
  • 譲渡の場合は営業とともに譲渡するのが原則

条文(第11-18条)

第11条 商人は、その氏、氏名その他の名称をもつて、その商号とすることができる。

試験のポイント

  • 商号は登記しなくても使用可能だが、保護を受けるには登記が必要
  • 会社の商号には「株式会社」等の文字を用いなければならない
  • 商号の譲渡は営業譲渡と同時が原則(商号のみの譲渡は例外的)
4

支配人

20-23

支配人とは、商人に代わってその営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限を有する商業使用人です。支配人の代理権は包括的で、営業に関する事項について広範な権限を持ちます。

具体例

A商店の店長Bさんは支配人として登記されています。Bさんは店舗の商品仕入れ、従業員の雇用、訴訟の提起など営業に関する一切の行為を行えます。

要件

  • 商人による選任
  • 営業所ごとに置かれる(本店・支店ごと)
  • 登記が効力要件

効果・結論

  • 営業に関する一切の裁判上・裁判外の行為をする権限
  • 代理権の制限は善意の第三者に対抗できない
  • 他の使用人を選任・解任できる

条文(第20-23条)

第21条 支配人は、商人に代わつてその営業に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。 第22条 支配人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

場合
効果
営業に関する通常の行為
支配人が単独で可能
営業全部の譲渡等
特別授権が必要
代理権の制限
善意の第三者に対抗不可

試験のポイント

  • 支配人の代理権は包括的で、制限を加えても善意の第三者には対抗不可
  • 営業主の営業全部の譲渡など重要事項は特別授権が必要
  • 登記は対抗要件ではなく効力要件である点に注意

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
商人
自己名で商行為を業とする者
「業として」=営利目的+反復継続性
絶対的商行為
誰が行っても商行為
営業性は不要
営業的商行為
営業として行う場合に商行為
単発では商行為にならない
附属的商行為
商人が営業のためにする行為
主観的意図は不要
商号
営業上の名称、登記で保護
登記なしでも使用可だが保護は限定的
支配人
営業に関する包括的代理権
代理権制限は善意の第三者に対抗不可

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