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第6節 組織再編

第2章 会社法

組織再編とは、会社が合併や分割、株式交換などにより法的構造を変更する手続です。企業買収やグループ再編の主要手段として実務上極めて重要であり、株主や債権者の保護手続も試験頻出です。

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組織再編の全体像

組織再編とは、複数の会社を統合したり、会社を分割したりする法的手続の総称です。吸収合併(既存会社に統合)、新設合併(新会社を設立して統合)、会社分割株式交換株式移転などがあります。

具体例

A社とB社が事業統合を決定。A社がB社を吸収して一つの会社になる場合が吸収合併、新たにC社を作ってA社B社が消滅する場合が新設合併です。

要件

  • 組織再編契約の締結
  • 株主総会の特別決議(原則)
  • 債権者保護手続
  • 登記

効果・結論

  • 会社の権利義務が包括的に承継される
  • 反対株主に株式買取請求権が認められる
場合
効果
吸収合併
存続会社が消滅会社の権利義務を承継、消滅会社は解散
新設合併
新設会社が全消滅会社の権利義務を承継、消滅会社は全て解散

試験のポイント

  • 組織再編の種類と手続の違いを整理
  • 債権者保護手続と株式買取請求権は必須
  • 簡易組織再編・略式組織再編の要件に注意
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吸収合併

748

吸収合併とは、会社が他の会社とする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併後存続する会社に承継させるものです。存続会社は継続し、消滅会社は解散します。

具体例

大手A社が中小B社を吸収合併。B社の従業員・契約・財産が全てA社に引き継がれ、B社株主はA社株式を受け取り、B社は消滅しました。

要件

  • 合併契約の締結
  • 株主総会の特別決議(原則)
  • 債権者保護手続(公告・催告)
  • 合併の登記

効果・結論

  • 消滅会社の権利義務が包括承継される
  • 消滅会社の株主は存続会社の株式等を取得
  • 反対株主に株式買取請求権

条文(第748条)

会社は、吸収合併をすることができる。吸収合併においては、合併により消滅する会社の権利義務は、合併後存続する会社に承継される。

場合
効果
原則
両会社で株主総会特別決議が必要
簡易合併
存続会社側は株主総会不要(対価が純資産の1/5以下)
略式合併
消滅会社側は株主総会不要(存続会社が90%以上保有)

試験のポイント

  • 包括承継なので個別の権利移転手続は不要
  • 簡易合併(存続会社側)は総資産の1/5以下で株主総会不要
  • 略式合併(消滅会社側)は特別支配会社(90%以上保有)で株主総会不要
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新設合併

753

新設合併とは、2以上の会社がする合併であって、合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させるものです。全ての当事会社が消滅し、新会社が設立されます。

具体例

同規模のA社とB社が対等合併を決定。両社とも消滅し、新たに設立されるC社に両社の権利義務が承継され、A社B社の株主はC社株主になりました。

要件

  • 合併契約の締結
  • 全ての消滅会社で株主総会の特別決議
  • 債権者保護手続
  • 新設会社の設立登記と消滅会社の解散登記

効果・結論

  • 全消滅会社の権利義務が新設会社に包括承継
  • 消滅会社の株主は新設会社の株式を取得
  • 反対株主に株式買取請求権

条文(第753条)

2以上の会社は、新設合併をすることができる。新設合併においては、新設合併により消滅する会社の権利義務は、新設合併により設立する会社に承継される。

試験のポイント

  • 吸収合併より手続が煩雑で実務上は稀
  • 全当事会社が消滅するため略式・簡易はない
  • 新設会社の設立と消滅会社の解散が同時に行われる
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債権者保護手続と株式買取請求権

789

組織再編では、債権者保護手続(公告+個別催告または電子公告)と、反対株主の株式買取請求権が認められます。債権者は異議を述べることができ、株主は公正な価格での買取を請求できます。

具体例

A社のB社吸収合併に反対したA社株主Cさんは、株主総会前に買取請求の通知をし、総会後に公正な価格での買取を請求しました。

要件

  • 債権者保護:官報公告+個別催告(または電子公告)、1か月以上の異議期間
  • 株式買取請求:総会の2週間前までに通知、総会前日までに請求

効果・結論

  • 異議を述べた債権者には弁済等が必要
  • 株式買取請求した株主は公正な価格で買取を受けられる
  • 価格協議不調なら裁判所が決定

条文(第789条)

吸収合併をする場合には、各当事会社は、効力発生日の20日前までに、債権者に対し、吸収合併をする旨等を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。

場合
効果
債権者が異議を述べない
そのまま組織再編が進行
債権者が異議を述べた
会社は弁済・担保提供・信託が必要

試験のポイント

  • 債権者保護手続を怠ると合併無効原因になる
  • 株式買取請求権は株主総会前に行使の意思表示が必要
  • 公正な価格の算定方法(DCF法等)は重要論点

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
組織再編の全体像
合併・分割・株式交換等の総称
種類ごとの手続の違いを混同しない
吸収合併
存続会社に包括承継、簡易・略式あり
簡易合併の要件(1/5以下)を間違えない
新設合併
新会社設立、全当事会社消滅
略式・簡易がないことに注意
債権者保護手続・株式買取請求権
利害関係者保護の必須手続
株式買取請求のタイミング(総会前)

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