第5節 資本金・剰余金
第2章 会社法
株式会社の財産的基盤である資本金と剰余金について学びます。会社の資金の源泉を理解することで、株主への配当や会社債権者保護の仕組みが見えてきます。試験では計数変動と配当規制が頻出です。
資本金
簡単にいうと
資本金とは会社が最低限保持しておくべき財産の基準額です。債権者保護の観点から重要です。
資本金とは、会社が最低限有しておくべき財産の基準額のことです。会社債権者からすると、株主に直接会社の負債の支払いを請求することができないため、会社に一定以上の資本金があることが取引の基準となります。
■ 資本金の額(445条)
・最低額の制限なし(1円でもよい)
・資本金の額は原則として株主に対して払込みまたは給付をした財産の額
・その額の2分の1を超えない額は資本準備金にできる(445条3項)
■ 資本金の増減(447条・450条)
・資本金の減少は株主総会の特別決議が必要(447条1項・309条2項9号)
・資本金の減少には債権者保護手続きが必要
・資本金の増加は株主総会の普通決議の後、剰余金の額を減少させて資本金の額を増加させることができる(450条1項・2項)

資本金の構造と増減
重要メモ
- ・「資本金(445条1項):会社が最低限保有すべき財産の基準額——最低額制限なし(1円可)・減少は株主総会特別決議・増加は普通決議」
- ・資本金の意義(445条1項):株主が会社に払い込み・給付した財産の額が資本金
- ・資本金の最低額制限:会社法上の制限なし(1円での設立も可能)——ただし取引上の信用に影響
- ・資本準備金(445条2項・3項):払込金額の2分の1を超えない額は資本金に計上せず資本準備金に計上可
- ・資本金の減少(447条1項):株主総会の特別決議が必要——債権者保護手続も必要
- ・資本金の増加(450条1項・2項):剰余金を資本金に振り替える場合は株主総会の普通決議
剰余金
簡単にいうと
剰余金の配当ルールを押さえましょう。分配可能額の範囲内であればいつでも配当できます。
会社は株主に対して剰余金の配当をすることができます(453条)。
■ 配当の基本ルール
①分配可能額の範囲内であればいつでも何度でも配当できます(453条)。
②純資産額が300万円を下回る場合は配当することができません(458条)。
③配当の決定は原則として株主総会の普通決議で行われます。
■ 中間配当(454条5項)
事業年度中に1回に限り、取締役役会の決議(取締役役会設置会社)で剰余金の配当をすることができます(中間配当)。
■ 配当の形態
・原則として金銭による配当ですが、現物による配当(現物配当)も可能です(454条2項)。
・現物配当の場合は株主総会の特別決議が必要(普通決議で行えるのは金銭配当のみ)。

剰余金の配当制度
重要メモ
- ・「剰余金の配当(453条):分配可能額の範囲内でいつでも何回でも可・純資産300万円以下なら不可・株主総会普通決議で決定」
- ・剰余金の配当(453条):会社は株主に対して剰余金の配当ができる——財源は分配可能額の範囲内
- ・配当の制限(458条):純資産額が300万円を下回る場合は配当できない
- ・配当の方法(454条1項):原則として金銭配当——現物配当も可(定款の定めが必要)
- ・配当の決定(454条1項):原則として株主総会の普通決議
- ・中間配当(454条5項):取締役会設置会社は事業年度中に1回に限り取締役会決議で中間配当可
まとめ
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