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テキスト/商法/第5節 資本金・剰余金

第5節 資本金・剰余金

第2章 会社法

株式会社の財産的基盤である資本金剰余金について学びます。会社の資金の源泉を理解することで、株主への配当や会社債権者保護の仕組みが見えてきます。試験では計数変動と配当規制が頻出です。

1

資本金

445

資本金とは、株式会社の財産的基礎として計上される金額です。株主が払い込んだ出資額のうち、会社が資本金として計上した部分を指します。会社債権者保護のため、原則として株主への払戻しが禁止されます。

具体例

A社を設立する際、株主Bさんが1株5万円の株式を100株引き受け、500万円を払込みました。A社はこのうち250万円を資本金として、残り250万円を資本準備金として計上しました。

要件

  • 設立時または募集株式発行時に払込みまたは給付された財産の額
  • 払込額等の2分の1を超えない額は資本金に計上しないことができる

効果・結論

  • 会社財産の基礎として登記事項となる
  • 原則として株主への払戻しが禁止される(債権者保護)
  • 剰余金配当の財源規制の基準となる

条文(第445条)

第445条 株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。 2 前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。

場合
効果
払込額全額を資本金計上
資本金が最大となり、準備金はゼロ
払込額の2分の1を資本金計上
資本金と資本準備金が同額
払込額の2分の1未満を資本金計上
認められない(会社法違反)

試験のポイント

  • 払込額の2分の1までは資本準備金とすることができる点を押さえる
  • 資本金の額は登記事項であり、債権者保護機能を持つ点が重要
  • 資本金の減少には厳格な手続(債権者保護手続)が必要
2

資本準備金

445

資本準備金とは、株式の発行時に払い込まれた額のうち資本金に計上されなかった部分です。資本金と同様に会社財産の基盤として、株主への払戻しが制限されます。

具体例

B社が新株を発行し、株主Cさんから1000万円の払込みを受けました。B社は500万円を資本金に、残り500万円を資本準備金に計上しました。

要件

  • 株式発行時の払込額のうち資本金に計上しなかった部分
  • 払込額の2分の1を下回ることはできない

効果・結論

  • 資本金と同様に会社財産の基盤を構成
  • 剰余金配当の財源規制の対象となる
  • 減少には株主総会の特別決議と債権者保護手続が必要

試験のポイント

  • 資本準備金も資本金と同様に債権者保護の対象である点
  • その他資本剰余金との違いを理解する(準備金は払込時に計上)
  • 準備金の減少手続は資本金減少と同様に厳格
3

剰余金の配当

453、461

剰余金の配当とは、会社が獲得した利益等を株主に分配することです。会社債権者保護のため、一定の財源規制があり、配当可能限度額を超える配当はできません。分配可能額の範囲内でのみ配当が認められます。

具体例

C社は今期1000万円の利益を計上しました。株主総会で剰余金の配当を決議し、株主Dさんに10万円の配当金を支払いました。ただし、会社法上の分配可能額の範囲内で行う必要があります。

要件

  • 株主総会の普通決議による配当の決定(原則)
  • 分配可能額の範囲内であること
  • 会計帳簿等による適正な計算

効果・結論

  • 株主が配当金を受領する権利を取得
  • 会社の純資産額が減少
  • 違法配当の場合、取締役に損害賠償責任が発生

条文(第453、461条)

第453条 株式会社は、その株主に対し、剰余金の配当をすることができる。 第461条 剰余金の配当は、その効力が生ずる日における分配可能額を超えてはならない。

場合
効果
分配可能額の範囲内
適法に配当可能
分配可能額を超える配当
違法配当となり取締役が責任を負う
欠損がある場合
原則として配当不可(例外あり)

試験のポイント

  • 分配可能額の計算式は複雑だが、基本は「資産-負債-資本金等」
  • 違法配当を行った取締役は会社に対して損害賠償責任を負う
  • 配当を受けた株主も悪意・重過失がある場合は返還義務を負う点
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利益準備金

445

利益準備金とは、剰余金の配当を行う際に、配当額の10分の1を積み立てることが義務付けられる準備金です。資本金の4分の1に達するまで積立てが必要で、会社財産の確保を目的とします。

具体例

D社が100万円の配当を行う際、10万円を利益準備金として積み立てました。資本金が1000万円のため、準備金合計が250万円に達するまで積立てを続けます。

要件

  • 剰余金の配当額の10分の1を積立て
  • 資本準備金と利益準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで

効果・結論

  • 会社財産の社内留保が強制される
  • 債権者保護機能を果たす
  • 準備金の減少には厳格な手続が必要
場合
効果
準備金合計<資本金の1/4
配当額の1/10の積立義務あり
準備金合計≧資本金の1/4
積立義務なし

試験のポイント

  • 配当の都度、10分の1の積立義務が発生する点
  • 資本金の4分の1に達したら積立義務が消滅
  • 資本準備金との合計額で判断する点に注意

まとめ

テーマ
ポイント
注意点
資本金
払込額の2分の1以上を計上
2分の1未満の計上は不可
資本準備金
払込額のうち資本金不計上分
資本金と同様に払戻し制限あり
剰余金の配当
分配可能額の範囲内で可能
違法配当は取締役が責任を負う
利益準備金
配当額の1/10を積立て
資本金の1/4まで積立義務

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