A憲法統治機構
ロッキード事件
最高裁判所大法廷1995-02-22最大判平7.2.22
内閣総理大臣指揮監督権職務権限贈賄罪憲法72条
総理の指揮監督権の範囲
図解でわかる

事案の概要
航空機メーカーから賄賂を受け取った疑いで起訴された内閣総理大臣が、運輸大臣に対して民間航空会社の機種選定に働きかけた行為が、総理大臣の職務権限に含まれるかが問題となりました。裁判所は、憲法72条の指揮監督権に基づき、この働きかけは職務権限の範囲内であると判断し、贈賄罪の成立を認めました。
争点
内閣総理大臣が運輸大臣に対して民間航空会社の航空機選定に働きかける行為は、内閣総理大臣の職務権限の範囲に含まれるのか、というのがこの事件の争点です。
判旨
内閣総理大臣は憲法72条に基づき、行政各部を指揮・監督する権限を持っています。この権限には、閣議決定の方針をもとに各省庁の事務に対して指導・助言することも含まれます。裁判所は、運輸大臣に対して民間航空会社の機種選定を働きかける行為も、この指揮監督権の範囲内にあると判断しました。その結果、総理大臣がお金をもらってこのような働きかけをした行為は、贈賄罪における「職務権限」に該当するとされました。つまり、「民間企業の話だから総理大臣の職務と関係ない」とはならず、行政各部への指揮監督権は広く解釈されるということです。
関連法令の解説
憲法72条が定める内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督権の範囲に関わる判例です。総理大臣がどこまで各省庁の事務に関与できるかが争点となりました。
身近な例え
会社の社長が営業部長に「このメーカーの製品を採用するように」と指示するのと同じで、組織のトップとして当然持っている権限の範囲内ということです。
ざっくりまとめ
要するに、総理大臣は憲法72条で各省庁を指揮監督する権限があるから、運輸大臣に機種選定の働きかけをする行為も職務権限に入るってこと!
試験対策ポイント
・憲法72条:内閣総理大臣は行政各部を指揮監督する ・指揮監督権の範囲:閣議決定の方針に基づき、各省庁の事務に指導・助言することを含む ・運輸大臣への機種選定の働きかけ→総理の職務権限の範囲内 ・職務権限に該当→贈賄罪における「職務」に当たる ・試験では「総理の指揮監督権は具体的な行政事務への関与も含む」という点を押さえる
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