A民法総則(意思表示・代理・時効等)
黙示的な動機の表示
最高裁判所1997-01-14
動機の錯誤黙示的表示財産分与錯誤取消し意思表示
黙示でも動機の錯誤は主張できる
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事案の概要
離婚に伴う財産分与の契約をした人が、後になって自分に多額の税金がかかることに気づきました。契約時には課税されないと思い込んでいたため、その勘違い(動機の錯誤)を理由に契約の取消しを主張しました。相手方は、課税されないという動機は明言されていないと反論しましたが、裁判所は黙示的に示されていれば足りると判断しました。
争点
意思表示をした際の動機(理由・目的)が、はっきりとは言葉にされず、暗黙のうちに示されているだけの場合でも、錯誤(勘違い)を理由に意思表示の取消しを主張できるか。
判旨
動機の錯誤(勘違いに基づく意思表示)が取消しの原因となるには、その動機が相手方に示されて契約内容になっていることが必要だが、動機が明言されなくても黙示的(言葉にせず態度や状況から伝わる形)に示されていれば契約内容になりうる。本件では、財産分与(離婚時の財産の分け合い)に伴い自分に課税されるとは思っていなかったという動機が黙示的に表示されており、その錯誤がなければ契約しなかったと認める余地があるとされた。
関連法令の解説
民法95条2項は、動機の錯誤(勘違い)による取消しについて規定しています。動機が相手方に表示されて契約内容になっている場合に限り、錯誤による取消しが認められます。この判例は、動機の「表示」が黙示的でもよいことを示しました。
身近な例え
友達とゲームソフトの交換をする時、言葉にしなくても「このソフトが欲しい」という理由が互いに分かっている状況。後でソフトが壊れていたら、その前提が崩れるので交換を取り消せるイメージです。
ざっくりまとめ
要するに、契約の動機(理由)を口に出して言わなくても、態度や状況から相手に伝わっていれば、動機の錯誤による取消しを主張できるってこと!
試験対策ポイント
①民法95条2項の動機の錯誤による取消しには、動機の「表示」が必要
②動機の表示は「明示的」である必要はなく、「黙示的」でも足りる
③本件では、財産分与に伴い自分に課税されないという動機が黙示的に表示されていたと認定
④黙示の表示とは、言葉にしなくても態度や契約の状況から相手に伝わっている状態を指す
⑤その錯誤がなければ契約しなかったという因果関係も必要
関連法令
出題年度
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