B民法物権
占有の訴えと本権に基づく反訴
最高裁判所1965-03-04最判昭40.03.04
占有の訴え本権反訴民法202条2項建物収去土地明渡
占有訴訟で本権主張はダメでも、反訴で所有権を争うのはOK!
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事案の概要
Xが土地を占有しているところ、Yから「占有を妨害された」として占有の訴え(占有保持の訴え)を提起された。Xは土地の所有者であることを根拠に、建物の取り壊しと土地の明け渡しを求める反訴(逆訴え)を提起した。民法202条2項は「占有の訴えでは本権(所有権など)を根拠に防御してはならない」と定めているが、この規定が本権に基づく反訴の提起まで禁じているのかどうかが争われた。
争点
民法202条2項の「占有の訴えでは本権を根拠に裁判できない」という規定は、被告が本権に基づく別の請求として反訴を提起することまで禁止しているか、が争点です。
判旨
民法202条2項が禁止しているのは、占有の訴えの審理において被告が「自分には本権がある」と主張して占有訴訟の判断の中で防御することです。これは占有という事実状態を迅速に確定するための占有訴訟の性質上、本権をめぐる複雑な争点を持ち込ませないためのものにすぎません。一方、本権に基づいて新たな訴え(反訴)を起こすことは、占有訴訟の審理の中での防御とは性質が異なります。所有者が本権を根拠に建物収去・土地明渡しを求める反訴を許さないとすれば、所有者の正当な権利行使を不当に制約することになり合理性を欠きます。つまり、占有訴訟内での本権主張による防御は禁止されますが、本権に基づく反訴の提起は202条2項によって禁止されてはいないということです。
判決
民法202条2項は本権に基づく反訴提起を禁止するものではなく、XのYに対する建物収去・土地明渡しを求める反訴は認められると判断された。
関連法令の解説
民法202条2項
この条文は「占有の訴えに対しては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない」と定めています。占有の訴えは占有という事実状態を迅速に保護するための制度であり、所有権などの本権をめぐる複雑な争いを持ち込まないようにするための規定です。本判決では、この禁止がどこまでの範囲に及ぶかが解釈されました。
民法202条1項
この条文は「占有の訴えは本権の訴えを妨げず、本権の訴えは占有の訴えを妨げない」と定めており、占有の訴えと本権の訴えは独立して並存できることを明らかにしています。本判決における反訴許容の解釈もこの趣旨と整合します。
この条文は「占有の訴えに対しては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない」と定めています。占有の訴えは占有という事実状態を迅速に保護するための制度であり、所有権などの本権をめぐる複雑な争いを持ち込まないようにするための規定です。本判決では、この禁止がどこまでの範囲に及ぶかが解釈されました。
民法202条1項
この条文は「占有の訴えは本権の訴えを妨げず、本権の訴えは占有の訴えを妨げない」と定めており、占有の訴えと本権の訴えは独立して並存できることを明らかにしています。本判決における反訴許容の解釈もこの趣旨と整合します。
身近な例え
友達に「その席に座るな」と言われて「僕の指定席だ」と反論するのはダメだけど、別に「この席は僕のものだから空けて」と新たに主張するのはOKというイメージです。
ざっくりまとめ
占有の訴えって、「占有の事実状態」だけを保護する制度だから、訴えられた側が「俺には所有権がある!」と言って防御することは民法202条2項で禁止されてるんだよね。でも最高裁は「防御として本権を主張することと、別の訴え(反訴)として本権を主張することは別の話」と判断したんだ。反訴まで禁止したら、所有者が正当な権利行使できなくなって不合理だよね。だから「占有訴訟の中での本権主張はダメだけど、反訴で所有権を根拠に別途請求することはOK」というのが試験で押さえるべきポイント!
試験対策ポイント
占有の訴えと本権の訴えは独立して並存できる(民法202条1項)ため、反訴が認められることとも整合する
注意:「占有訴訟の中で所有権を主張して勝つ」ことはできないが、「別途、所有権を根拠に反訴を起こすこと」は認められるという禁止範囲の限定的解釈が重要
占有の訴えの種類として、占有保持の訴え・占有保全の訴え・占有回収の訴えの三類型と、それぞれの要件を整理しておくこと
本権の訴えで勝訴しても占有の訴えには影響しない(逆もしかり)という、両訴訟の独立性を押さえておくこと
関連法令
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