B民法債権各論(契約・不法行為等)
請負契約の目的物の所有権の帰属
最高裁判所1969-09-12最判昭44.09.12
民法632条請負契約所有権の原始取得完成と同時注文者帰属棟上げ時の代金支払請負人帰属との区別
材料も代金も注文者が出したなら、建物完成と同時に所有権は注文者のもの!
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事案の概要
注文者が請負人(建設業者)に建物の建築を依頼し、棟上げ時までに工事代金の半額以上を支払い、その後も工事の進行に応じて残代金を支払い続けた。建物が完成したが、請負人が第三者に建物を譲渡するなどのトラブルが発生した。完成した建物の所有権が、最初から注文者に帰属するのか、それとも請負人が取得してから注文者に移転するのかが争われた。
争点
注文者が工事代金の半額以上を棟上げ時までに支払い、その後も支払いを継続していた場合、完成した建物の所有権は完成と同時に原始的に注文者に帰属するか、それとも一度請負人に帰属してから引渡しにより移転するか、が争点です。
判旨
注文者が棟上げ時までに工事代金の半額以上を支払い、その後も工事の進捗に応じて残代金を支払ってきたという事実関係のもとでは、特別な事情のない限り、完成した建物の所有権は建物の完成と同時に原始的に注文者に帰属すると解するのが相当です。このような場合、注文者が実質的に建物の建築費用を負担しており、請負人が独自に所有権を取得することを認める合理的な根拠がありません。つまり、代金の支払状況からみて注文者に帰属させるのが当事者の合理的意思にも合致するということです。
判決
棟上げまでに代金の半額以上が支払われた事実関係のもとでは、完成建物の所有権は建物完成と同時に原始的に注文者に帰属すると判断された。
関連法令の解説
民法632条
この条文は請負契約を「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する契約」と定めています。完成物の所有権がどちらに帰属するかは民法に明文規定がないため、判例・学説によって処理されており、本判決がその基準を示しています。民法所有権の原始取得
所有権の原始取得とは、他人の権利を承継せず、最初から自己の権利として所有権を取得することをいいます。本判決では、注文者が代金の大部分を棟上げ時までに支払った場合、完成建物の所有権は引渡しを待たず建物完成と同時に原始的に注文者に帰属すると判断されました。
この条文は請負契約を「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約する契約」と定めています。完成物の所有権がどちらに帰属するかは民法に明文規定がないため、判例・学説によって処理されており、本判決がその基準を示しています。民法所有権の原始取得
所有権の原始取得とは、他人の権利を承継せず、最初から自己の権利として所有権を取得することをいいます。本判決では、注文者が代金の大部分を棟上げ時までに支払った場合、完成建物の所有権は引渡しを待たず建物完成と同時に原始的に注文者に帰属すると判断されました。
身近な例え
オーダーメイドの家具を注文して、制作途中で代金の大半を払っていれば、完成した瞬間からそれはあなたの物、という感覚です。
ざっくりまとめ
請負で建てた建物の所有権って、最初は誰のものになるのかってのが問題だよね。材料を誰が出したか、代金をいつ払ったかで結論が変わるんだよ。最高裁は「代金の大部分を棟上げ時までに払っていれば、完成と同時に最初から注文者に帰属する」と判断したんだ。これを原始取得って言うんだよ。でも注意!請負人が自分の材料を使って建てた場合は、特約がない限り請負人が原始取得して引渡しによって所有権が移転するという別の判例(最判昭46.3.5)もあるから、材料を誰が提供したかによって結論が変わるってことを整理しておくことが大事!
試験対策ポイント
注意:請負人が自己の材料を使って建築した場合は、特約がなければ請負人が原始取得し、引渡しにより注文者に移転する(最判昭46.3.5)との区別が重要
原始取得とは他人の権利を承継せず最初から自己の権利として取得することであり、引渡し前でも注文者が所有権を持つ点が実務上重要
請負人が第三者に建物を譲渡したり、抵当権を設定したりしても、原始取得が認められれば注文者はその効力を争える
所有権帰属の判断は代金の支払状況・材料の提供者・当事者の合意など諸事情を総合して判断される
関連法令
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