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A民法親族・相続

真実の親子関係のない親がした15歳未満の子の代諾縁組

最高裁判所1952-10-03最判昭27.10.3
代諾縁組(15歳未満の子に代わって行う養子縁組)無権代理(代理権のない者が行った代理行為)追認(後から行為を有効と認めること)養子縁組法定代理

血縁上の親でない者がした代諾縁組も、養子が15歳になった後に追認できる!無権代理の追認規定を類推して解決した判例

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なる子ちゃん

事案の概要

他人の子を実子として戸籍に届け出た者(戸籍上の親)が、その子が15歳未満のうちに、子の代わりに養子縁組を承諾しました(代諾縁組)。戸籍上の親は法律上の親権者ではなく、本来は代諾する法定代理権がありませんでした。養子本人が15歳になった後、この縁組を追認できるかどうかが争われました。
争点

争点

血縁上の親でなく代諾権を持たない者がした代諾縁組について、養子本人が15歳に達した後に追認できるかどうかが争点です。
判旨

判旨

15歳未満の子の養子縁組に関する父母の代諾は法定代理に基づくものであり、その代理権を欠く場合は一種の無権代理と解するのが相当です。したがって、民法総則の無権代理の追認に関する規定および養子縁組の追認に関する規定の趣旨を類推して、養子は満15歳に達した後は、父母でない者が自己のためにした代諾縁組を有効に追認することができます。この追認は方式の定めがないので明示または黙示でよく、養親双方に対してすべきですが養親の一方が死亡後は他の一方に対してすれば足り、適法に追認がなされたときは縁組は最初から有効となります。
【原文】

 一 他人の子を実子として届け出た者の代諾による養子縁組も、養子が満15年に達した後これを有効に追認することができる。

・・・

 15歳未満の子の養子縁組に関する、家に在る父母の代諾は、法定代理に基くものであり、その代理権の欠缺した場合は一種の無権代理と解するを相当とするのであるから、民法総則の無権代理の追認に関する規定、及び前叙養子縁組の追認に関する規定の趣旨を類推して、旧民法843条の場合においても、養子は満15歳に達した後は、父母にあらざるものの自己のために代諾した養子縁組を有効に追認することができるものと解するを相当とする。
判決

判決

破棄差戻。追認が可能であると判示され、追認の有効性について改めて審理させるため原審に差し戻されました。
関連法令の解説

関連法令の解説

民法797条1項
養子となる者が15歳未満のときは、父母がこれに代わって縁組の承諾をすることができると定めています。この代諾権は法定代理権に基づくものであるため、真の法定代理権を持たない者がした代諾は無権代理に類するものと解釈されます。

民法804条・806条・807条

取り消し得る養子縁組の追認に関する規定です。本判決は、これらの追認規定と民法総則の無権代理の追認規定の趣旨を類推して、法定代理権のない者によるいわば無権代理の代諾縁組についても養子が15歳に達した後に追認できると判示しました。追認がなされると縁組は最初から有効となります。
身近な例え

身近な例え

親の承諾なしに友達が勝手に契約書にサインしたけど、後で自分が成人してから「その契約、認めます」と言えば有効になるイメージです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

「戸籍上は親として届け出られているけど、実は血縁関係のない他人が、その子が15歳になる前に代わりに養子縁組を承諾した。この縁組はそのままだと無効だけど、子が15歳になったら自分で追認して有効にできるの?」という話。
問題は「民法に直接の規定がない」という点。15歳未満の子の代諾は法定代理に基づくものなので、代理権がない者がした場合は無権代理と解釈できる。民法の追認規定は親族法上の行為には直接適用されないが、無権代理の追認に関する規定を類推して適用することで解決を図った。

結論:養子本人が15歳に達した後は、無権代理でなされた代諾縁組を有効に追認できる。追認が適法になされると縁組は最初から有効だったことになるんだ。

追認の方法についても判示している。方式の規定はないので、口頭でも書面でも、明示でも黙示でもよく、養親双方に対してすべきだが、養親の一方が死亡後は他の一方に対してすれば足りるよ。

試験対策ポイント

血縁上の親でない者による代諾は無権代理に類する
民法の追認規定は親族法上の行為に直接適用されないが、類推適用して解決

養子が15歳に達した後に追認でき、追認すると縁組は遡って最初から有効になる

追認の方式:口頭・書面・明示・黙示いずれでも可

追認の相手方:養親双方に対してするが、一方が死亡後は他の一方だけでよい

平成20年度行政書士試験で出題(問35選択肢オ)
法令

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