A民法総則(意思表示・代理・時効等)
営業許可を受けない食肉買入契約の効力
最高裁判所1960-03-18
取締法規食品衛生法営業許可契約の有効性民法90条
取締法規違反でも契約は有効
図解でわかる

事案の概要
食品衛生法上の営業許可を受けていない業者が食肉の売買契約を結びました。契約の一方が「相手は許可を受けていないのだから、この契約は無効だ」と主張して争いになったケースです。裁判所は、許可がなくても契約自体は有効であると判断しました。
争点
食品衛生法上の営業許可を受けていない業者が行った売買契約は、許可がないことを理由に私法上(民事上)の効力が否定されるのか?
判旨
食品衛生法はあくまで行政上の取り締まりを目的とした「取締法規(行政目的で違反行為を規制するルール)」にすぎない。そのため、食肉販売業の許可を受けていなかったとしても、そのことによって売買契約そのものの法的効力が失われるわけではなく、契約は有効に成立する。
関連法令の解説
民法90条(公序良俗違反)に関連します。行政上の取締法規に違反しても、その違反だけでは私法上の契約が無効にならないという、取締法規と私法上の効力の区別に関する基本原則を示した判例です。
身近な例え
無免許運転は違法だけど、無免許の人が結んだ車の売買契約自体は有効なのと同じ。行政上のルール違反と、契約が有効かどうかは別の問題ということです。
ざっくりまとめ
要するに、行政法上の許可がなくても、それだけでは民事上の契約は無効にならないってこと!取締法規違反は行政処分の対象になるけど、契約の効力とは別問題なんです。
試験対策ポイント
●取締法規と私法上の効力の区別が最重要ポイント ●取締法規:行政上の取り締まり目的の規定→違反しても私法上の契約は原則有効 ●強行法規:契約の内容を直接規制→違反すると契約が無効(民法90条等) ●本件では食品衛生法は取締法規にすぎないため、営業許可なしでも売買契約は有効 ●試験では「取締法規違反=契約有効」「強行法規違反=契約無効」の区別を問われる
関連法令
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