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A商法会社法株式

名義書換の不当拒絶

最高裁判所1966-07-28最判昭41.7.28
名義書換株主名簿不当拒絶株式譲渡株主対抗

会社のせいで名義書換できなかった!それでも「あなたは株主じゃない」は通らない

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なる子ちゃん

事案の概要

原告X(旧株主)は、本田技研工業株式会社の株式500株を訴外Dに譲渡しました。DはY会社(本田技研)に名義書換を請求しましたが、Y会社の担当者のミス(過失)により名義書換は行われませんでした。その後、Y会社は基準日現在の株主名簿記載者に新株を割り当てましたが、名簿にはまだXが記載されていたため、XがDに割り当てるべき新株を受け取ってしまい、Dが争ったのがこの事件です。
争点

争点

会社が正当な理由なく株式の名義書換請求を断った場合、または会社の過失によって名義書換がなされなかった場合、株式を譲り受けた人は自分が株主であることを会社に主張(対抗)できるか。
判旨

判旨

正当な理由なく名義書換請求を拒絶した会社は、名義書換がないことを理由に株式の譲渡を否認することはできません。この場合、会社は株式譲受人を株主として扱わなければならず、名簿上の旧名義人(譲渡人)を株主として扱い続けることは許されません。裁判所はさらに、会社が「過失により」名義書換をしなかった場合も、不当拒絶の場合とまったく同様に扱うべきであると判断しました。つまり、会社自身のミスによって生じた不利益を譲受人に転嫁することは信義則上許されず、会社はその譲受人を株主として取り扱わなければならないということです。
判決

判決

上告棄却。会社の過失による名義書換未了の場合も不当拒絶と同様に扱われ、会社は譲受人(実質的株主)を株主として扱わなければならず、名簿上の譲渡人を株主として扱うことはできない。
関連法令の解説

関連法令の解説

会社法133条1項(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録)
この条文は、株式を取得した者が会社に対して株主名簿への記載・記録(名義書換)を請求できることを定めています。株式の譲渡自体は当事者間では有効ですが、会社に対して株主であることを主張する(対抗する)ためには、株主名簿への記載が必要です。本条はその手続きの根拠規定です。

会社法130条(株式の譲渡の対抗要件)

この条文は、株式の譲渡を会社に対抗するには株主名簿の名義書換が必要であることを定めています。名義書換はあくまで「対抗要件」であり、書換がなくても当事者間での譲渡は有効です。本判例では、この対抗要件制度のもとで会社が自らのミスを盾に譲受人の権利を否定できるか、という点が問われました。
身近な例え

身近な例え

賃貸契約書の名義変更を大家が正当な理由なく拒否したら、もう「契約書に名前がないから入居者じゃない」とは言えないようなものです。
なる子ちゃん

ざっくりまとめ

X(元の株主)が自分の株式をD(買い手)に売った。DはちゃんとY会社(本田技研)に「名義書換してください」って請求したのに、Y会社の担当者がうっかりミスで書き換えをし忘れた。
そしたらY会社、「名簿にはまだXの名前が載ってるから、Xが株主だ」って言い張って、新株もXに割り当てちゃった。

Dからしたら「え、ちゃんと請求したのに私が損するの?」って話だよね。

裁判所は「それはダメ!書き換えなかったのはY会社のミスなんだから、そのミスを理由にDの株主としての権利を否定するのはおかしい。Y会社はDを株主として扱いなさい」って判断したんだよ。

試験対策ポイント

【対抗要件の例外】
①原則:株式譲受人は名義書換をしないと会社に株主であることを対抗できない(会社法133条1項)

②例外:会社が正当な理由なく名義書換を拒絶、または過失で名義書換しなかった場合→会社は譲受人に対して「名簿に記載がない」ことを主張できない(対抗できない)

③結果:会社は譲受人を株主として扱う義務を負い、旧名義人を株主として扱うことは許されない

※会社の帰責事由がある場合の救済法理
法令

関連法令

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